確定申告、税理士に頼むべきか自分でやるべきか|費用の相場と、分かれ目になる3つの条件
最終更新:2026年08月28日
「税理士に頼んだほうがいいのか、自分でやれるのか」は、個人事業主が最初につまずくところです。結論から言うと、売上の大きさだけでは決まりません。
1. まず費用の相場を知る
判断するには、いくらかかるかを知らないと始まりません。おおよその相場は次のとおりです。
確定申告だけを頼む場合(年1回)
| 内容 | 年額の目安 |
|---|---|
| 白色申告 | 3〜5万円 |
| 青色申告(10万円控除) | 4〜7万円 |
| 青色申告(65万円控除) | 5〜10万円 |
| 副業・不動産・暗号資産などを含む | 7〜15万円以上 |
顧問契約(年間を通して相談できる)
月1〜3万円(年12〜36万円)が目安で、確定申告の代行が含まれるのが一般的です。
記帳代行(帳簿づけを丸投げ)
月5,000円〜3万円。仕訳の件数によって変わります。
※ 金額は事務所や地域、事業の内容によって幅があります。実際の料金は個別にご確認ください。
2. 分かれ目になる3つの条件
売上の金額よりも、次の3つのほうが判断に効きます。
条件1:消費税の課税事業者かどうか
これがいちばん大きい分かれ目です。所得税の確定申告だけなら、会計ソフトを使えば自分でやりきれる方は多いです。しかし消費税の申告が加わると、難易度が一段上がります。
取引ごとに8%と10%を分け、インボイスの有無を確認し、簡易課税か本則課税かを選び、届出の期限を守る必要があります。2026年分で2割特例が終わるため、2027年分からここで迷う人が一気に増えます。
条件2:帳簿づけに月何時間かかっているか
ここは金額ではなく時間で考えてください。
たとえば帳簿づけに月10時間かかっているなら、年120時間です。記帳代行が月1万円(年12万円)なら、時給1,000円で自分の時間を買い戻している計算になります。その120時間を本業に使って12万円以上稼げるなら、頼んだほうが得です。稼げないなら、自分でやったほうが得です。
「経理が苦手で、やろうとすると1日つぶれる」という方は、実質的な時間コストがもっと大きくなります。
条件3:判断に迷う取引があるか
次のようなものが1つでもあるなら、一度は専門家に見てもらう価値があります。
- 自宅を事務所にしていて、家賃・光熱費を按分している
- 車を事業とプライベートの両方で使っている
- 家族に給与を払っている(専従者給与)
- 30万円を超える機械や車を買った(減価償却)
- 不動産所得、暗号資産、海外取引がある
これらは間違えたときの金額が大きい項目です。数万円の依頼料で、数十万円の判断ミスを防げるなら安い買い物です。
3. 「自分でやる」でいい人
次の全部に当てはまるなら、会計ソフトだけで十分やれます。
- 消費税の免税事業者である
- 取引がシンプル(売上の入金先が少なく、経費も定型的)
- 上の「判断に迷う取引」がない
- 帳簿づけの時間が苦にならない
この場合は、会計ソフトを1つ選んで、レシートを溜めずに月1回入れていくだけで終わります。
4. 頼むと決めたら、比較してから決める
税理士の料金は事務所によって差が大きく、同じ内容でも倍近く違うことがあります。最初に見つけた1件で決めず、2〜3人と話してから決めてください。
見るべきなのは金額だけではありません。
- 自分の業種の経験があるか(建設業、飲食、EC、フリーランスなどで実務が違います)
- 使っている会計ソフトに対応しているか(freee・マネーフォワード・弥生)
- 連絡手段と、返事の速さ(メール・チャット可か、電話のみか)
- どこまでが料金に含まれるか(記帳代行は別料金のことが多いです)
無料で複数の税理士を紹介してくれるサービスもあるので、自分で探すのが大変な場合は使うと早いです。
5. 頼んでも、レシート整理は残ることが多い
最後に、見落とされがちな点です。税理士に頼んでも、領収書やレシートを集めて渡す作業は自分に残ります。記帳代行まで頼めば入力はなくなりますが、その分だけ料金は上がります。
逆に言うと、渡す前のデータが整っているほど、依頼料は下げやすいということです。仕訳の件数で料金が決まる事務所が多いためです。